2015年5月10日日曜日

総主事コラム プログ 2015年5月

「鐘が響くとき」

美しいものに驚くこと  ほんとうのものを守ること  気高いものを敬うこと
善いことを決意すること  そうすることは  人間を人生の目標へと  導いてゆく
正しさに至るまで行い  平和に至るまで感じ  光輝くまで考える
そうすることはまた  宇宙の中に 魂の中に  存在するすべてのものの中に  
神の力が働いているということを  人間に信じさせてくれる

(ルドルフ・シュタイナー)

 今年は戦後70年の時だ。横浜YMCAは終戦直後、7年間も会館をGHQに接収されたが、近隣の学校などを借りて少年部といわれる少年たちのグループ活動を再開した。
 戦後最初に、そのメンバーでキャンプに行くことになった時、戦災で親を亡くしたり、貧しくて参加できない友人のために募金活動をし、みんなで参加できることになった。楽しかったキャンプの日々とその友情を忘れることはなかった。その思いは横浜YMCAのキャンプ場である富士山YMCAを未来の子どもたちのために設置する際の多額の募金の協力にも表れている。
 先月、その少年部関係者3名が富士山YMCAに一泊し、少年部時代の思い出話が弾んだ。帰る際に、130周年で韓国、中国のYMCAから贈られた平和の鐘の前で、子どもたちのために平和を祈り、少年部時代に、いつも解散の時に歌った、別れの歌を歌うと涙があふれたという。まさしく心の中で鐘が鳴り響いたに違いない。
 この詩のような鐘が響くキャンプやYMCAの活動であり続けたいと思う。多くの子どもたちに「鐘が響くとき」を過ごしてほしい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)