2016年11月28日月曜日

世界が身近に感じた国紹介と交流会

横浜YMCA地域交流事業「Give a talk about your country (母国について語ろう)プログラム」実施のご報告
  横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 11月20日にトルコ、アフガニスタン(社会基盤整備における事業管理)の研修員2名がNPO法人横浜こどものひろばのご家族のみなさん8家族31人をお招きし、JICA横浜にて自分たちの国についての講演をしました。
 研修員たちはこのプログラムの為に、忙しい研修の合間をぬって何日も前から資料作りに取り組んでいました。
最初はトルコの研修員が話をしました。国の名前を知っている人は多かったのですが行ったことのある人はおらず、みんな興味津々の様子で話を聴いていました。次々とスクリーンに映し出されるトルコの美しい街並みや歴史的建物、工芸品、料理など初めて目にする映像も多く、参加者たちは驚きの声を上げていました。トルコ人の性格や研修員の家族の話では、トルコ人は家族の絆がとても強く、日本での研修の話を毎日、自分の奥さんや子どもたちだけでなく両親、兄弟家族といった親族みんなに報告しているエピソードを披露しました。
研修員がトルコの子どもたちの遊びを説明すると、日本でも馴染みのある“けんけん”や“ビー玉遊び”があることを知った子どもたちは喜んでいました。日本のアニメ「キャプテン翼」が大人気だと話すと「えー僕も知ってるよ!」嬉しそうに身を乗り出して研修員に子どもたちが声をかける姿も見られました。その他にも親日的なトルコでは日本の車や腕時計もとても人気があり、盆栽はプレゼントに喜ばれるという話には大人たちも驚いていました。
続いてアフガニスタンの研修員が話をしました。日本の大学で2年間勉強した経験があり、その時から勉強をしている日本語で資料をすべて作り、話の方も出来る限り日本語で頑張りました。
 アフガニスタンについて初めて話を聴く子どもたちもいましたが、美しい景色の映像や研修員の家族、現地の学校の話にみな引き込まれていきました。田舎の地域では学校の校舎がなく、簡易のテントや屋外で授業を行っていると研修員が説明すると、子どもから「雨の日にはどうしますか」と質問が上がりました。テントが無ければお休みになると答えると、日本とは異なる学校の事情に驚いていましたが、同世代の子どもたちの生活に興味を持った様子でした。
講演の最後には保護者からトルコとアフガニスタンの電力事情について質問がありました。停電などのトラブルはほとんどなく、日本の電力事情とあまり変わらないというトルコとは対照的に、アフガニスタンでは冬場には1日おきのように停電が起き、田舎の地域では電気も通っていないところも多いという事でした。アフガニスタンの研修員は停電で不便な事ももちろんあるが親族みんなで助け合い、子どもの世話をしているので問題はないと答えていました。
最後に研修員がアフガニスタンにも折り紙遊びがあり、“ネコ”の折り方を紹介しました。早速子どもたちが挑戦してみることに。途中までは日本の“やっこさん”と折り方が同じで、みな慣れた手つきで折り進めていきました。最後に研修員が3つのパーツをつなげてネコを作ると子どもたちから歓声が上がりました。遠く離れた国の子どもたちの遊びに日本との共通点を見つけ、嬉しそうに折り紙を持って帰る姿が見られました。 講演会の最後に研修員は子どもたち一人ずつへサプライズのプレゼントを用意していました。最初自分たちの話がきちんと伝わるか不安そうだった研修員たちも、参加者の笑顔を見られて安心した様子でした。
講演会の後はカフェテリアでみんな一緒にいろいろと話をしながら昼食をとりました。昼食後は体育館で子どもたちお待ちかねの運動タイムとなりました。食事後全員がそろうと大人も子どもも参加しての大ドッチボール大会が始まりました。研修員たちもルールを聞いて両チームに分かれて加わりました。すぐにとコツをつかんだ研修員はボールを上手にキャッチし、相手チームにボールを当てていくと子どもたちから歓声が上がりました。大人も子どもも本気で汗を流し大盛り上がりとなりました。その後大縄跳びにも参加した研修員は、自分も子どものころに遊んだことがあると懐かしそうに話していました。遊びの合間には子どもたちが言葉は通じなくても身振り手振りで研修員に手遊びを教えて、一緒に遊ぶ姿が見られました。研修員たちは子どもたちがとても社交的で、積極的にコミュニケーションをとろうとしてくれることを喜んでいました。まるで我が家に帰ったように温かい気持ちになれてとても幸せだと話していました。
プログラムに参加した保護者からは研修員たちの家族との絆や家族の時間を大切にする話に感動したと感想を頂きました。日本のように電気もおもちゃも有り余る環境で子育てをしていると、家族で一緒にいるようでそれぞれが別の方向に心が向いていることが多いことに気づかされた。家族の絆について改めて考えるよい機会となったとおっしゃる方もいました。
 YMCAではこれからも地域の方々と研修員との交流の場を設けて、お互いの文化にふれあう機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美)