2016年12月7日水曜日

秋の鎌倉、紅葉狩り

横浜YMCA地域交流事業「Kamakura Half Day Trip(半日鎌倉ツアー)」実施のご報告
 横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 11月26日に、ネパール、ガーナ、アフガニスタン、トルコ3(社会基盤整備における事業管理)、インドネシア(機械・製造工学博士)、イン1(FRIENDSHIP慶応2016博士課程)ブラジル2(医療材料と再生医療、家畜感染症及び人獣共通感染症の診断予防技術)の10名で秋の鎌倉、円覚寺と高徳院をめぐる半日ツアーを行いました
当日は朝から雲一つない青空に恵まれ、鎌倉は朝から多くの観光客で賑わっていました。北鎌倉の駅はホームからあふれんばかりの人で埋め尽くされていて、研修員たちは何ごとかと驚いていましたが、まずは最初の見学先の円覚寺を目指しました。赤く色づいたもみじの横を通り総門をくぐると観光客は多いものの、高い木々に囲まれた境内は静かな空気に包まれていて研修員たちの表情も引き締まりました。
荘厳な造りの山門(三門)の前では、巨大かつ繊細な造りの木造建築の技術の高さに驚き、熱心に写真に収めていました。仏殿でも熱心に仏像や建物を見学していましたが、研修員の中には日本人の参拝者の様子にならってお賽銭をしてご本尊にお参りする人もいました。
 天井に描かれた龍を見つけて、不思議そうにしている研修員たちに龍が雨や水を司る水神であること、雨のように仏の恵みを降り注ぐこと、火事から建物を守っていることなど伝えると、トルコの研修員が龍はトルコでも同じく水の守り神だと話し、納得していました。
その後は境内が広いため、しばらくは自由時間とし思い思いに散策を楽しみました。境内のあちらこちらで赤く色づいたもみじの写真を撮る日本人を見た研修員は、日本に来て初めて季節ごとに変化する木や花を見ることで季節を楽しむことを知ったと話していました。今まで風景として木々を見ることはあっても日本人のように木や葉そのものを美しいと注目して見ることはなかった。母国に帰ったら自分も木々や草花にもっと注目して季節を楽しみたいと言っていました。
円覚寺を散策後は鎌倉に出て、江ノ電で高徳院を目指しました。電車の到着が遅れたため超満員の江ノ電に乗ることになりましたが、インドの研修員からの「インドスタイル!」の一言でみんなが笑顔になりました。
 高徳院に到着すると境内に入ってすぐ、青空の下に鎮座する大仏が目に飛び込んできて、研修員たちは大喜びでした。海外では屋外にある仏像はめずらしくないそうですが、鎌倉の大仏がもともとは建物の中にあり、津波によって建物が流されたため現在の姿になったと知ると驚いていました。
普段はあまり宗教の話をしない研修員たちですが、仏教はそれぞれの国でも歴史があり、信仰している人がいるとあってそれぞれの国の仏教事情を話していました。ネパールの研修員は仏教の発祥は実はインドではなく仏陀の生まれたネパールであることを話すと、アフガニスタンの研修員はバーミヤンの仏像は鎌倉大仏の5倍くらいの大きさがあり歴史も古いことを話し、インドの研修員は日本の仏像の姿・形がインドのものと違うと言い話は尽きませんでした。
 帰り道では偶然トルコ料理店を見つけたトルコの研修員たちは、店の主人とすっかり意気投合し、本格的なケバブを堪能していました。その他の研修員も模造刀や招き猫、お守りなどの思い思いのお土産を買って楽しんでいました。
秋の鎌倉で寺院をめぐりながら美しい建物、風景を楽しむだけでなく、仏教を通じて改めて日本と母国との共通点、異なる点を発見することが出来たようでした。
 YMCAプログラムではこれからも様々な体験を通して日本文化を学ぶ機会をつくっていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)