2016年12月8日木曜日

巻き寿司体験交流会

横浜YMCA地域交流事業「SUSHI Making and Eating Program(巻き寿司づくりプログラム)」実施のご報告
 横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 11月30日にパラグアイ(個別長期・バイオテクノロジー)、ガーナ、ネパール2、トルコ3(社会基盤整備における事業管理)、インド(FRENDSHIP慶応2016博士課程)、インドネシア(機械・製造工学 博士)、ブラジル2(医療材料と再生医療、家畜感染症及び人獣共通感染症の診断予防技術)の研修員11名は、神奈川SGG(KSGG)のボランティアの皆さんと一緒に巻き寿司作りを体験しました。
 普段はあまり料理をしないと話す研修員たちも日本食には関心が高く、作り方を覚えて母国で披露したいとやる気満々の様子で身支度を整えていました。ほとんどの研修員はエプロン、三角巾をつけると、いつもとは印象の異なるお互いの姿に最初は少し恥ずかしそうにしていましたが、講師の説明が始まると真剣な表情で聞き入っていました。
まず始めは米の面を外側にして具材を巻く“裏巻き寿司”に挑戦しました。生魚が苦手な研修員でも美味しく食べられるようにときゅうり・アボカド・大葉などの野菜を中心に、卵焼き、カニカマなど色鮮やかな食材を細く切って用意してくださいました。研修員たちは講師のデモンストレーションをお手本に、“巻きす”を器用に動かしてきれいな裏巻きを作っていきました。出来上がりの色や見た目を考えながら慎重に具材を並べる人や好きな具材ばかりを並べる人などそれぞれの個性が表れる巻き寿司となっていました。
太巻きの次は細巻き寿司に挑戦しました。細巻きは名前の通り海苔も細く、具材もシンプルなだけにご飯の量と具のバランスが難しく、きれいに巻けなくて苦労している研修員もいました。特に巻き終わりが上手くいかずに巻き寿司が開いてしまう人が多く、見ているのとやってみるのとは違う!と何回も練習する人もいました。
 巻き寿司を包丁で切る練習では海苔をきれいに切るのに苦労していました。力で切ろうとして失敗する研修員は軽く包丁を動かすだけで切る講師の手元をまるで魔法を見るかのような様子で見つめていました。
日系パラグアイの研修員は母国でも日本食をよく食べるそうで、巻き寿司もお母さんが作ってくれると話していました。自分も覚えて家族に作ってあげたいと言って熱心に海苔巻きの練習をしていました。また、ネパールの研修員は帰国する前に必ず“巻きす”と“焼きのり”を買いに行くと話していました。みな手軽に作れて、見た目にも美しくヘルシーな巻き寿司がすっかり気に入った様子でした。盛り付けの後は即席みそ汁と緑茶も入れ、お待ちかねの食事タイムとなりました。
一口では食べきれないほど大きな太巻きに戸惑いつつ、味には大満足の様子で色々な具材の巻き寿司に挑戦していました。わさびや甘酢漬けの生姜にも積極的にトライしていましたが反応は様々でした。アジア出身の研修員が平気な様子で美味しいと言っているのに対し、トルコ出身の研修員たちは少量のワサビや生姜で涙目になってギブアップし、みなお互いの反応を楽しんでいました。巻き寿司を食べながらそれぞれの国の郷土料理の話をしたり、家庭での料理の様子を話したりと料理談議に花が咲いていました。
日本食に興味を持っていたけどなかなか挑戦する機会がなかった研修員は日本食が身近に感じられて良かったと話していました。また、いつもは別々の研修に参加する研修員たちにとってもお互いの交流を深めるよい機会となったようでした。
 YMCAプログラムではこれからも様々な体験や地域の皆様との交流を通して日本文化を学ぶ機会をつくっていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)