2017年2月10日金曜日

総主事コラム ブログ 2017年2月

こころのひかり

おかあさんやまあらしは
ぼうやをぎゅうっと
だきしめました。
「ぼうやは、かっこわるく
なんかありませんよ。
とげは ぴかぴか
ひかっているし
めはかがやいているわ
ぼうやは、おあかさんの
こころのひかり」
(ジョセフ・スレイト)

 絵本『やまあらしぼうやのクリスマス』の一節で、動物たちのクリスマスの生誕劇の配役を決める際に、やまあらしの「とげとげが危ない」とか「かっこ悪い」と言われ、自分でもそう思い泣きながら家に帰りおかあさんから言われた言葉だ。「おかさんのこころのひかり」という言葉に励まされ、耐え忍び、最後は、そのとげを活かしてみんなを輝かせる物語だ。
 12月の横浜市広報に中学生人権作文コンテストの横浜市の最優秀賞が掲載された。バスの中で声を出してしまう障がいのある方に対して大きな声で怒りつける男性を見て、幼い頃から保育園や地域で障がいのある方とふれあってきた経験から、このようにしてあげれば落ち着きますよと伝えたい気持ちがあふれた。しかし、静まりかえるバスの中で言うことができず悔やんでいた。そのことを母親に伝えると「そう思えたことが素晴らしいね」「次はできるよ。おかあさんは、あなたが誇らしい」と頭をさっとなでたとあった。まるでやまあらしのお母さんと同じように思った。
 2月22日は、いじめはいけないと意思表示をしていくピンクシャツデーだ。いじめられたり、いじめや人権を脅かされている人びとに触れて、怯えたり、傍観者になり苦しむ子どもたちに「あなたは、私の心のひかり」と見えない心のエネルギーを送り続けることが大きな力になっていく。
(横浜YMCA総主事 田口 努)