2017年3月30日木曜日

横浜ご当地プログラム~開港から近代化まで~

JICA-YMCAデスク 横浜ご当地プログラム「横浜ヒストリーツアー」実施のご報告
 JICA-YMCAデスクでは新しい取り組みとして、横浜を訪問するJICA外国人研修員を対象に、横浜の歴史及び開港から現代への日本の近代化への貢献について学ぶとともに日本への親しみと理解を深め、国際協力に向けての友好的関係を築き平和への礎となる働きを目指すための、横浜ご当地プログラム「横浜ヒストリーツアー」を試行しています。
 この度、3月25日には、漁業コミュニティ開発計画研修に参加する研修員10名と、フランス語の通訳1名が参加しました。ツアーに出発する前にJICAプラザにてスライドや映像を見ながら横浜の歴史や現代の様子について説明を受けました。小さな漁村であった横浜が現代のような大都市に発展してきた様子は興味深かったようで、熱心にメモを取る研修員の姿も見られました。その後、海外移住資料館へ移動し日系移住民の歴史に関する展示を見学し、バスにて市内の歴史的建物や場所を巡るツアーへ出発しました。
漁業関係の研修で来ているだけあって海や埠頭に関心が高く、最初に訪れた象の鼻パークでは埠頭の形大きさを水際まで近づいて確認する研修員もいました。ちょうど横浜フラワーフェスティバルの開催と重なり、色とりどりの花で美しく飾られた公園に研修員たちも感激していました。続けて訪れた横浜開港資料館では、開港当時の横浜の様子や人々の暮らしについての展示を見学しました。フランス語圏の研修員たちは、日本初の国産石鹸の製造はフランス人技師から伝えられたと知ると、横浜の歴史を身近に感じたようで嬉しそう展示された石鹸の型を見ていました。
資料館見学の後は中華街へ移動しました。横浜が開港してから間もない頃から150年以上の歴史を持つ横浜中華街は土曜日の昼前とあって多くの人々で賑わっていました。最初に中国式寺院、関帝廟を訪れました。研修員たちは色鮮やかな屋根の装飾や大きな門構えの迫力にすっかり言葉を失っていました。関帝廟周辺の通りには観光客が溢れていて、店先に行列を作る人の数に驚いていました。また、レストランや食材店、みやげ物店、占い店など見たことのない店ばかりで通りを抜け出るのに時間が掛かりました。「日本人は美味しい物を食べるためならば1時間くらいは並んでも待つ」と聞いた研修員は驚いた様子で「自分では5分が限界だ!」と話していました。その後山下公園では、公園設立の歴史や貨客船“氷川丸”についての話を聞きながら自由に散策を楽しみました。たくさん歩いた後は再びバスへ乗り込み、山手の旧外国人居留地の西洋館や外国人墓地、教会を車窓から楽しみました。歴史的建物が続いた後は一転、現代の横浜港の様子を見ながら、ベイブリッジへと向かいました。最近はアフリカ諸国にも多くの日本車が輸出されていて、研修員からはたくさんの日本の車メーカーの名前が挙がりました。船積みを待つ自動車を見つけた研修員は、「この中に私の国へ運ばれる車があるのかな?」と話していました。港と共に発展してきた横浜の姿は、海と関わりの深い国から研修にきた研修員たちにとって大変身近で、印象深かったようです。
これからもYMCAでは、各地から横浜にきたJICA研修員の皆さんに横浜の歴史やみなとみらいの魅力をたくさん知っていただけるようなツアーを行っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田 真由美)